2026年7月14日開催の「SoftBank World 2026」で、パロアルトネットワークスのチーフサイバーセキュリティストラテジスト・染谷征良氏が、生成AIによってサイバー攻撃の実行速度が劇的に短縮している実態を報告した。人手なら偵察から侵害の展開まで2日ほどかかっていた工程が、AIエージェントを使えばわずか25分で完了するケースが確認されているという。

攻撃の「分業」がAIで自動化される #
偵察・脆弱性スキャン・侵入・横展開――かつては複数の攻撃者が数日かけて分担していた工程を、生成AIエージェントが一気通貫でこなせるようになった。攻撃者は自然言語で指示するだけで、対象環境に合わせたペイロードやフィッシング文面を即座に生成できる。攻撃の「量産化」と「高速化」が同時に進んでいる点が、従来の防御モデルとの最大の違いだ。
検知の8割超が「見えていたのに気づけなかった」 #
染谷氏が紹介したUnit 42のインシデント分析によると、対応した事案の87%で攻撃の痕跡がログに残っていたにもかかわらず、リアルタイムでは検知できていなかった。ツールがログを吐き出していても、人手による確認や相関分析が追いつかず、攻撃が完了してから初めて痕跡に気づく構図だ。

ハッカー視点での論点 #
セキュリティ現場で重要なのは、個別ツールの導入ではなく検知・分析・対応を横断的に統合する体制だ。攻撃側の時間軸が「分」単位に縮んだ以上、人手のトリアージに依存する運用は前提から崩れつつある。ログを集めるだけでなく、それをリアルタイムで結び付けて動く仕組みへの投資が急務と言える。
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