資産コンサルティング大手の青山財産ネットワークスは、子会社である日本資産総研がランサムウェア攻撃を受けた件について、7月末に第3報を公表した。5月9日にサーバ感染が判明してから約3か月かけての調査で、攻撃の全体像がようやく固まった格好だ。
認証情報窃取からの正攻法ランサムウェア #
第3報によれば、攻撃者は何らかの手段で認証情報を窃取したうえでサーバ環境に不正アクセスし、ランサムウェアを実行してファイルを暗号化。あわせてデータを外部に送信する「二重恐喝」型の手口だったことが確認された。侵入経路そのものより、正規の認証情報を悪用して静かに内部へ入り込む――という近年主流の攻撃パターンをなぞっている点が特徴的だ。
外部送信された可能性があるのは保有データの1%未満とされるが、具体的にどのファイルが対象だったかは特定できなかったという。同社はコンサルティング顧客の氏名・生年月日・住所・資産情報、不動産取引顧客の氏名・住所、従業員とその家族の個人情報を保有しており、これらが漏えい対象になり得ると発表している。
資産家データという「高付加価値」な標的 #
この事案が示す教訓は被害規模の大小より、狙われたデータの中身にある。資産コンサルティング会社が保有するのは、富裕層顧客の資産状況や不動産取引履歴といった、通常の個人情報漏えいより一段「濃い」情報だ。攻撃者にとってはフィッシングや なりすまし電話による二次的な資金詐取のための下調べ材料として極めて価値が高い。1%未満という送信量の小ささに安心はできず、少数でも高精度な標的リストが流出した可能性を否定できない。
同社は対象サーバの隔離、外部専門家による復旧支援を経て通常業務を再開済みとしつつ、認証基盤の強化や脅威検知体制の構築、クラウドサービス導入などの再発防止策を進めるとしている。初報から3か月というタイムラインは、影響範囲の特定がいかに難しいかを物語っており、同種の資産管理・コンサルティング業界にとっても対岸の火事ではない。
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