AI コーディングエージェントに「同じミスを二度と繰り返させない」ための考え方が、いま開発コミュニティで語られ始めている。AI 支援開発の専門家ビルギッタ・ベッケラー氏が Martin Fowler のプラットフォームで提唱した「ハーネスエンジニアリング (Harness Engineering)」だ。
AI モデル単体では足りない #
考え方の核は、「AI モデル + ハーネス」で初めて実用になるという発想だ。ハーネスとは、モデルに指示やツールを組み合わせて実際に仕事をさせるための周辺装置を指す。AI エージェントが人間のチームメンバーと違って厄介なのは、暗黙のルールや過去の失敗から学ぶ「常識」を最初から持っていない点にある。同じディレクトリを消す、同じ設計方針を無視する、といったミスを何度でも繰り返しうる。
セキュリティ視点でも他人事ではない #
これはハッカー目線で見ると、脆弱性の再発防止プロセスそのものだ。SAST/リンタでの脆弱パターン検知、レビュー基準の明文化、CI でのセキュリティテストは、まさに「センサー」の役割を担う。AI が書いたコードをレビューなしで信用するのは論外だが、逆にガイドとセンサーを整えれば、人間よりも一貫してルールを守らせられる可能性もある。AI コーディングエージェントの採用が進むほど、モデルの性能競争より「周辺の作り込み」が品質とセキュリティを左右する時代になりそうだ。
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