盗撮カメラの発見は、レンズの反射光を目視で探す方法が主流だったが、金属やガラスの反射と誤認しやすく精度に限界があった。韓国KAISTの研究チームは、スマートフォンに指向性LEDを装着し、AIで反射パターンを解析して隠しカメラのレンズだけを見分ける技術「SweepLED」を開発し、6月にMobiSys 2026で発表した。
反射の「動き方」でレンズを見抜く #
原理はシンプルだが実装は緻密だ。スマホ本体は固定したまま、ケースに取り付けた複数のLEDを角度を変えながら順に点灯し、対象物からの反射光の変化をカメラで連続撮影する。レンズは光を特定の方向へ強く跳ね返す性質を持つため、金属やガラス、光沢プラスチックとは反射光の変化パターンが異なる。AIモデルがこの時系列パターンを学習し、充電器や時計、リモコンに偽装された隠しカメラを5秒以内、精度約94%で検出できるという。
対策ツールとしての意味と限界 #
ホテルやレンタル物件での盗撮被害は後を絶たず、既存の盗撮チェッカーは目視判定に頼るため誤検知が多く、素人には扱いづらいという課題があった。SweepLEDのようにAIが判定を肩代わりする方式は、この参入障壁を下げる点で意義が大きい。一方で有効距離や照明条件、レンズの向きによる検出漏れなど実運用上の制約は残る。市販化・アプリ化が進めば、旅行者やセキュリティ担当者の標準装備になる可能性がある一方、攻撃側が反射を抑えるレンズコーティングで対抗する「いたちごっこ」の始まりでもある。
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