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RANSOMWARE Importance Medium 2026-07-23

身代金交渉人が「二重スパイ」に、BlackCat側に情報を売った末路

⏱ approx. 2 min views 11 likes 0 LOG_DATE:2026-07-23
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米国で、ランサムウェア被害企業を守るはずの「身代金交渉人」が、攻撃側と裏で通じて身代金を吊り上げていた事件の全容が明らかになった。守り手の内部から情報が漏れる――業界に根の深い教訓を残す事件だ。

交渉のプロが「二重スパイ」に #

米司法省によると、フロリダ州の交渉会社に勤めていたアンジェロ・マルティーノ被告(41)は、ランサムウェア被害企業の代理人として攻撃者と交渉にあたる立場でありながら、裏で「BlackCat」(別名ALPHV)のオペレーターに被害企業の交渉方針や保険の補償上限額を横流ししていた。攻撃側はこの情報で要求額を釣り上げ、より多くの身代金を引き出していた。検察はマルティーノ被告を「依頼人への被害を最大化するために働いた二重スパイ」と表現している。

共犯として、セキュリティ企業Sygniaのインシデント対応マネージャーだったライアン・ゴールドバーグ被告(41)と、交渉会社DigitalMint勤務のケビン・マーティン被告(36)も加担。3人は2023年4~11月、学校区・医療機関・法律事務所・金融企業など少なくとも5組織を標的にした恐喝に関与したとされる。被害企業のうち金融企業は約2,566万ドル(約38億円)、非営利団体は約2,679万ドル(約40億円)を支払っており、被害総額は複数社合計で数十億円規模にのぼる。

なぜ「守る側」が最大の弱点になったのか #

ランサムウェア対応の現場では、攻撃者とチャットでやり取りし支払い額を下げる交渉人や、フォレンジックを担うインシデント対応会社が重要な役割を担う。今回の事件は、その信頼関係自体が攻撃に組み込まれ得ることを示した。交渉人は保険契約の補償上限、支払い余力、内部の意思決定プロセスまで把握できる立場にある。攻撃者にとっては、マルウェアを送り込むより「内部の目」を買収する方がはるかに効率よく利益を最大化できてしまう。

マルティーノ被告は今年4月に司法取引に応じ懲役70か月(5年10か月)、ゴールドバーグ・マーティン両被告は2025年12月の司法取引で各懲役4年の判決を受けた。捜査当局はマルティーノ被告から暗号資産・車両・フードトラック・高級フィッシングボートなど総額1,000万ドル相当の資産を押収している。

BlackCat/ALPHVは2023年9月までに1,000件超の被害から3億ドル以上を得たとFBIが分析する集団で、今回の事件はその収益の一端が「内通者」に支えられていたことを裏付けた。インシデント対応やランサム交渉を外部委託する際は、契約企業の実績だけでなく、担当者個人の身元確認や機密情報へのアクセス権限を最小化する内部統制まで踏み込んで確認すべき局面に来ている。

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