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米政府、民間企業による"サイバー反撃"作戦を解禁 トランプ大統領が覚書に署名 thumbnail
POLICY Importance High 2026-08-14

米政府、民間企業による"サイバー反撃"作戦を解禁 トランプ大統領が覚書に署名

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「代理ハッカー」を政府が公認する #

2026年8月12日、トランプ米大統領は「国境を越えたサイバー犯罪への対処能力拡大」と題する大統領覚書に署名した。司法省・国土安全保障省と契約し、技術力や実績、施設のセキュリティ・人員審査基準を満たし、100万ドル以上の保証金(契約違反時は没収)を積んだ民間企業に限り、ランサムウェア集団やセクストーション、フィッシング詐欺、金融詐欺、なりすまし詐欺を行う海外の犯罪組織に対して、政府監督下で"攻撃的"なサイバー作戦を実施する権限を与える内容だ。新設の「国家調整センター」ディレクターが案件ごとに書面で審査・承認する仕組みで、これまで裁判所の許可なしに民間が行うことを禁じてきた領域に、正式な抜け道が開いたことになる。

制限は薄く、境界はあいまい #

除外されるのは人命喪失や国際法上の武力行使に相当する行為、他国の政府機関への作戦、国家支援型ハッカー集団への直接攻撃といった限定的な範囲のみ。一方でスパイウェアの使用やデータ・システム破壊を伴う攻撃、DDoSは明示的には禁止されておらず、暗号化によるネットワーク遮断のような手段も選択肢に残る。攻撃を仕掛けられる側は犯罪組織のインフラだけとは限らず、踏み台にされた無関係なサーバーが巻き込まれる可能性も否定できない。議会採決を経ない大統領権限での発効のため、予算措置の可否や訴訟、政権交代次第で覆る可能性もある不安定な制度でもある。

ハッカー視点で見る危うさ #

誤帰属(アトリビューション)ひとつで無関係な第三者のインフラを巻き込むリスクは、米国自身がこれまで摘発してきた不正アクセスと紙一重だ。私設の"私掠船"に近いこの枠組みは、報復の連鎖や証拠隠滅目的の破壊行為を招きかねず、国際的なサイバー規範の形成にも影を落とす。攻撃対象にされる側からすれば、相手が国家か企業かの境界も一段とぼやけることになる。今後、実際にどの企業が認可を得て、どこまでの作戦が実行されるかが焦点になる。

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