セキュリティ企業ANY.RUN、BCA LTD、NorthScanの3者が、北朝鮮の国家支援型IT労働者を「内側から」観察するという逆転の発想の調査を発表した。2025年12月公開の第1弾に続く第2弾で、今回は偽のDeFiスタートアップ「Ballena Azul」を設立して雇用主を演じ、実際に3名を面接・採用。取引先が用意したと偽った仮想デスクトップ経由で、採用後の挙動をまるごと記録した。
囮企業で全工程を可視化 #
これまでの報告は被害企業側の後追いが中心だったが、今回は調査側が「雇う側」になることで、身元偽装から日々の業務までを一次情報として押さえた点が新しい。対象は北朝鮮の国家支援クラスタ「Famous Chollima」(別名BadClone、UNC5267、Storm-1877)で、少なくとも2018年から活動しているとされる。
生成AIが偽装の全段階を支える #
CrowdStrikeは直近12カ月で320社超への潜入を確認し、前年比220%増と報告。Oktaも130超の身元を追跡し、5,000社超への一次面接6,500件超に結びついたとし、標的の半数はIT業界以外(金融・医療・公共機関等)、27%が米国外だったとする。
採用担当者だけの問題ではない #
給与月3,000ドル程度で「身元を貸すだけでいい」と持ちかける勧誘も確認されており、応じた技術者自身が被害企業への損害賠償責任を負うリスクがある。リモート採用が常態化した今、身元確認プロセスの形骸化は日本企業にとっても対岸の火事ではない。ビデオ面接での挙動不審な遅延や、KVMデバイス経由の勤務など、既知の兆候を採用フローに組み込む地道な対策が求められる。
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